ゴミ屋敷の片付けは玄関から始めるのが鉄則
足の踏み場もないほど物で埋め尽くされたゴミ屋敷。その絶望的な光景を前に、「一体、どこから手をつければいいんだ…」と、途方に暮れてしまうのは当然のことです。闇雲に作業を始めても、すぐに気力を失い、挫折してしまうのが関の山。ゴミ屋敷の片付けを成功させるためには、明確な戦略と、正しい手順が不可欠です。そして、その戦略における最も重要な第一歩、セオリー中のセオリーが、「玄関から片付けを始める」ことです。なぜ、玄関からなのでしょうか。その理由は、大きく三つあります。第一に、「作業動線の確保」です。ゴミ屋敷の片付けは、膨大な量のゴミを、家の外に運び出す作業の連続です。玄関がゴミで塞がっていては、ゴミ袋を運ぶことも、大きな家具を搬出することもできません。まず、玄関と、そこから繋がる廊下のゴミを取り除き、人や物がスムーズに通れる「道」を作ること。これが、その後の全ての作業効率を劇的に向上させるための、生命線となります。第二に、「モチベーションの維持」です。玄関は、家に出入りする際に、必ず通る場所です。この場所だけでも綺麗になっていれば、外出する時も、帰宅した時も、その片付いた光景が常に目に入ります。「これだけ進んだんだ」という小さな成功体験が、視覚的に確認できるため、終わりの見えない作業に対する、やる気を維持しやすくなるのです。そして第三に、「ゴミの一時置き場の確保」です。分別したゴミ袋などを、一時的に玄関スペースにまとめておくことで、他の部屋の作業スペースを広く確保することができます。ゴミ屋敷の片付けは、まず、この「玄関」という名の橋頭堡を確保することから始まります。ここを制する者が、ゴミ屋敷攻略の第一歩を、確実に踏み出すことができるのです。